スターモバイルはマルチ商法なのでしょうか。マルチ商法といえば、怪しげな勧誘を受けてグループの一員となり、勧誘活動を行う、といったようなイメージがあると思います。
スターモバイルはモバイルsim事業者であり、自社の格安simブランドを展開する通信事業者(MVNO)となっています。
しかし、なぜスターモバイルが「マルチ商法」と疑われているのか、この記事ではその原因と「誤解」について俯瞰的に詳しく解説していきます。

スターモバイルの勧誘を受けた方やスターモバイルが気になる方はこの記事をチェックしていきましょう。
まずは確認!「マルチ商法」には悪質・良質なものがある
スターモバイルがマルチ商法かどうか判断する前に、マルチ商法の定義についての誤解を解いておく必要があります。

スターモバイルがマルチ商法かどうか知りたい方は次章をご覧ください。
誤解されやすい「マルチ商法」とは
そもそもマルチ商法とは、「Multi-Level Marketing(マルチレベルマーケティング)」の「マルチ」から来ており、購入者を販売者として起用し、商品の流通を図るビジネスモデルのことです。

特定商取引法上では「連鎖販売取引」と呼ばれます。
マルチ商法は日本国内でビジネスモデルが採用されだした頃に荒い勧誘方法で問題を相次いで起こしたため、行政各機関への問い合わせが殺到、国民生活センターや消費生活センターでは「マルチ商法」=「悪質商法」と注意喚起を行ってきました。

教育の場面でも初等中等教育の教科書によっては、マルチ商法が悪徳商法であるという記載がたびたび見られます。
この影響で「マルチ商法」という単語自体に「怪しい」という負のイメージがあります。日本では警戒されがちですが、このマルチ商法自体は本来フェアなビジネスの一形態となります。
マルチ商法では通常の流通形態と異なり、顧客を販売員に採用することで企業が商品流通のための広告費・営業費などのコストの削減が可能です。
ゆえに、企業にとってはメリットがあるモデルですが、日本国内では負のイメージが強いうえに、違法な「無限連鎖講」とみなされてしまうリスクがあるので、大手企業などではこのモデルの導入を控えていると考えられます。
良質?悪質?「ねずみ講」とマルチ商法
マルチ商法は特定商取引法上では規制の対象とはなっているものの「違法」ではありません。法律で禁止されているのは「ねずみ講」の方です。
ねずみ講とはねずみ算式に会員が増えていく組織を指しますが、特に会員からの金品の収奪・上納のみを目的としており、商品は流通しません。かなり悪質な組織形態となっています。

みなさんがマルチ商法と思っている形態はこのねずみ講のことだと思います。混同されている方は多いと思います。
両者はとても似ており、混同されることが多い形態ですが、厳密には異なり「商品またはサービスの流通」が介在するか否かで見分けることができます。
マルチ商法もねずみ算式に会員が増えていく点はねずみ講と類似していますが、マルチ商法の目的は金品の収奪ではなく、商品やサービスの流通でしたね。

つまり、良質なのは購入者を販売者として採用して商品やサービスの流通を図るマルチ商法であり、悪質なのは金品の収奪と上納を意図するねずみ講となります。
ただし、マルチ商法の中には架空的な商品やサービスを介した金品の収奪行為を行うグループも存在し、このようなものはねずみ講に分類されます。
スターモバイルは良質なマルチ商法?
結論から申し上げますと、スターモバイルは「マルチ商法」を採用した格安sim事業者となります。もちろん採用した理由は金品の収奪ではなく、自社ブランドの格安simの流通を図ることを目的としています。

マルチ商法とねずみ講は異なります。つまずく方は、ここまでの内容をもう一度おさらいしてみてくださいね。
それでも本当に良質なブランドといえるのか、スターモバイルの企業像に焦点を当てて考えていきます。
稼げない?スターモバイルで稼げる仕組み
スターモバイルではマルチ商法、つまり「MLM(Multi-Level Marketing)」が採用されており、購入者を販売者として採用しています。

こうすることでコストの削減と削減した分の利用者への還元が可能なのです。
スターモバイルの格安simを契約した方は、乗り換えた後も通常のユーザーとしてsimを利用できますが「正規代理店ユーザー」にアップグレードすることで、代理店ビジネスを行うこともできます。
この代理店ビジネスで勧誘・集客した方を新規契約までサポートできれば報酬条件に基づいて報酬が支払われます。

一定の報酬を得る権利が与えられるので権利収入とも呼ばれていますね。
つまり、スターモバイルで稼げる仕組みは、代理店として新規契約を獲得した分の報酬ということになります。
もちろんそのためには集客や営業スキルも重要です。初めて営業を経験する場合、これが難しいため、なかなか報酬に結びつかないかもしれません。

すべてはみなさんの努力次第であり、必ず儲かるわけではないので注意しましょう。
スターモバイルの評判
スターモバイルの評判が気になるところでしょう。いくら真っ当な格安sim事業者や優良なマルチ商法と言ったところで、サービスの内容が伴わなければ「ねずみ講」とみなすこともできます。
スターモバイルの評判はおおむね「良し」ですが、詳しい内容が気になる方は以下の記事をチェックしておきましょう。
「スターモバイルの社長が怪しい」というのは本当か
ネット上では「スターモバイルの社長が怪しい」「スターサービス株式会社(スターモバイルブランド提供元)の社長・金家亮が怪しい」などといった記載を見かけます。

金家亮氏はスターモバイルを展開するスターサービス株式会社の社長です。
例えば、以下のようなツイートです。
クジラモバイルが4/1よりスターモバイルに名称変更。
運営会社もスターサービス株式会社に変更。
この会社の代表がクジラモバイルのセミナーをしていた金家亮氏。
金家亮氏はガクトコインことSPIDLEも手掛けていた。#クジラモバイル#SPINDLE https://t.co/OlSLs5Akey pic.twitter.com/7nIf2UfRYA— 半兵衛@プロデモトレーダー (@hanbe_fx) May 7, 2020
どうやらスターモバイルを展開するスターサービス株式会社の社長・金家亮氏が仮想通貨「SPINDLE(通称:ガクトコイン)」も手掛けていたという内容となっています。
ところが、ツイートに記載されている画像の投稿には金家亮氏やガクト氏といった記載がありますが、その内容からはSPINDLEとの関係は不明瞭です。

ただし、ツイートでは金家亮氏がガクト氏を紹介したことやツイート上の写真には両氏を写した集合写真があり、何らかの関係があるとは言えるでしょう。
このような金家亮氏に関する情報は少ないものの、過去にはスターモバイルの代理店HP上に、
- スターモバイルはもともと、一般財団法人日本IOT協会の一事業「クジラサービス事業」であったこと
- MLMの経験豊富な金家亮氏を代表取締役として新たに「スターサービス株式会社」を設立したこと
- そこに旧クジラサービス事業のスタッフを譲渡し、現在のスターサービス株式会社となったこと
といった内容が記載されていました。
つまり、もともとはクジラサービス事業で活躍していた人物であり、MLMの経験が豊富であることは分かります。社長となれる人材ですので、それ相応の実力の持ち主であることは間違いないでしょう。

情報は少ないながらも、格安sim事業の社長となれる実力の持ち主であることは分かります。怪しいと断言するにはまだ早いでしょう。金家氏の今後の活躍に期待します。
まとめ
スターモバイルは契約者を販売代理店(個人)として採用する「マルチ商法」ではありますが、ビジネスとして「格安sim」を提供しており、商品やサービスが存在しない「ねずみ講」とは異なります。
そもそもスターモバイルで代理店ビジネスを行うには契約後に正規代理店となる必要があり、正規代理店になるためにはアップグレードも必要です。通常の契約ではビジネスを行わない、単なる格安simユーザーということになります。
ビジネスを強制されることもないので、単に格安simに乗り換えたいだけという場合は契約を検討しても問題はないでしょう。
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